よるのおわり

日々を愛でる

強い風の冬の海

出発の前日、Rが陽性となり、急いで予定を変更。関係各所への連絡や調整に追われ、もともと忙しい時期だったこともあって、鬱々とした日々を過ごす。寝不足と、懸念の仕事にあまり進展がないことも追い討ちをかけて、いらいらしてばかりでちっともよくない1週間だった。それでもなんとか別のことは形にまとめ、懸念の仕事もがんばってひとまずの見通しをつけた。

 

金曜は風が強くて、夜には窓の外でびゅうびゅう音がしている。秒速17メートルだとか。家の中にいてぬくぬくしてる分には、風の強い夜というのは楽しい。Lは早く寝落ちしてしまい、ゆったりできた。この風なら海辺にはいろいろなものが打ち上げられているのではないかと思い、翌日は海に行こうと決意しながら、すぐに眠りに落ちて、久しぶりにぐっすり眠った。

 

土曜、仕事のRは早くに家を出て、Lとふたりでおでかけ。昨夜の風はけっこう凄まじく、ゴミ箱やら東屋やら道路標識やらが西から東に向かって倒れている。午前中は風もまだ強かったけれど、バスに乗り、荒野の先の西の静かな海へ。バスは1時間に一本で、まだけっこう時間があったので、駅前のカフェで時間をつぶす。サワードウパンにチーズを挟んでもらったの(前からいちど食べてみたかった)は塩気がきいていておいしく、パンとチーズの相性もいい。これはいろいろなところで試してみたくなる味だった。
やってきたバスに乗って15分くらいで到着。海辺はやはり風が強くて、Lは動きを止めて涙を流し始め、これは40分後のバスに乗って帰ろうと思わせる過酷な条件。Lを抱っこして波打ち際を歩き、荒涼としたすてきな風景を眺め、きれいな石や貝殻をひったくるようにポケットに入れ、早々に引き返す。パラグライダーでサーフィンをしている人がそこそこおり、犬の散歩をする夫婦と、鳥の写真を撮るおじさんを見た。夏にまた来たい。


バス停で待っている間にLは眠ってしまい、帰りのバスでは次々にベビーカーが入ってくる。ふたりめの女の人のはストッパーが故障していてずっと手でおさえていないといけないようで、乗車カードを私が代わりにタッチした。その後、1組、もう1組と乗ってきて、本当は2台までしか乗せられないところ、バスの本数も少ないので乗るほうも必死で、運転手さんも渋々ドアを開け、みんなでベビーカーをぎゅうぎゅうと詰めてなんとか場所を作った。最寄りの駅で降りて、先ほどの女の人と「やったね」と笑顔で手を振って別れた。この国のこういうところが大好きだ。


そして、帰ってからは私も頭が痛くなってしまったので、午後はおとなしく過ごした。寒いのは苦手だけれど、荒々しい冬の海は良い。

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