よるのおわり

日々を愛でる

イースター休暇旅行1日目

休暇らしいこともしようと、旅行に出る。同じ島の、北の端、電車の終点で名前だけ知っていたところ。土曜、電車に乗って家を出る。
中心地の駅で乗り換えると、やってきたのは二階建ての電車。このあいだ二階建てバスを見て乗りたいと言っていたLはごきげんになる。大人が乗っても楽しい。ただし窓が開かないので空気が澱んでいる。外に見えるすてきな庭などを調べつつ、数十分乗ると海が見えてきて、あっというまに到着。
まずはお城に行こうとすると、波止場にグリッターな人魚姫らしきものが見える。このあいだの人魚姫像を眠っていて見られなかったLはまた喜び、みんなで寄ってみると、どうやら姫ではなく彼であった。ジェンダーフリーで良いと思って、あとで調べたところによると、まばきもするらしかった。
駅前の複合施設でトイレに行った後、ハムレットのお城へ。今日はどうやら女王の誕生日らしく、正午に祝砲を打つからそのときにはみんな出てもらうとのこと。急いで中を見る。お城というよりひとつの街みたいな雰囲気。あるいはアリの巣か。大広間なんか、本当に大広間という雰囲気にあふれていた。
すこしはやくお城を出て、敷地内のカフェに。人びとは逆に大砲のほうへ向かっていく。カフェでお茶を飲んでいると、ズシン!ズシン!と地響き。大砲だ。音は数分で終わり、人々の波がカフェにもやってくる。
カフェを出て今度は海岸へ。人々が思い思いに行動していて楽しい。座ってお昼を食べる人、石を投げて水切りしている人、水際ではしゃぐイヌを眺める人、などなど。Lは楽しそうに貝殻を拾っており、私もなにか面白いものが落ちていないか探す。空気が冷たいわりに日差しが強くて、そのコントラストに頭がくらくらしてくる。その後、海岸を大きく回って、お城の後ろから街へ戻った。(ベビーカーを押していくのはすこし骨が折れた)
お城の出入り口に着くと、さっき祝砲を打っていた兵士たちがそれぞれに帰宅途中。なかには、待っていた子供と妻に合流して、迷彩服でサーベルを下げたままベビーカーを押していく人もいた。現地集合・現地解散なのだな…。
たくさんはしゃいで太陽にたっぷりあたったLはベビーカーで寝てしまい、親たちはストリートグルメの屋台村のようなところへ。カレーとハンバーガーとレモネードの遅いお昼を食べる。味はいまいち。
その後、街の中心部へ移動してぶらぶらし、フェリーの時刻に合わせてまた港に戻り、船に乗ってスウェーデンに移動した。待合室には、酒税の安いデンマークでお酒を買っていく人のためにお酒しか置いていない売店があり、乗客もトランクやリュックのなかにパンパンにお酒を詰め込んでいた。20分ほどの航海なのに、出港するとすぐに人々はカウンターに殺到し、ビールやワインとおつまみを頼んで、狭い船内にぎゅうぎゅうに座って酒盛りをしていた。甲板にも同じような景色が広がっていて、こちらでは人びとはタバコも吸っていた。我々は廊下の折り畳み椅子に座り、外を眺めながらお昼の残りのしなびたポテトフライをぱくぱくしていたのであった。
夕方に船はスウェーデンに到着。降りてホテルに投宿し、しばしくつろいだのち、夕食を探しに出かける。イースター休暇ということもあってレストランは閉まっているところも多く、これといったところがなく、子連れだと気を遣わなくていいホテルの自室が何より楽なため、スーパーでお惣菜を購入して早々と戻る。中心街のほうに行こうかとも思ったけれど、みんな歩き疲れていたので翌日にした。泊まりだとこういうところがよろしい。
19世紀の建物を改築したホテルの部屋、バスタブにお湯をはって半年以上ぶりのお風呂を楽しみ、いろんなお惣菜を食べ、適当なテレビ番組を見ながらくつろいでいるうちに、夜もふけていった。

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