よるのおわり

日々を愛でる

とっさのマレー語

電車で座っていると、保育園帰りと思われる子供ふたりとその父親が乗ってきたので、席を譲った。「いいよいいよ」といったことをデンマーク語で言われ、しかしまあ疲れているわけでもなかったので会釈をしてそのまま立っていた。次の駅でその親子は降りていったけれど、降りるときに父親が「さあ着いたよ」といったことをマレー語で言ったように聞こえた。見た目は西洋の人のようだったので、おや、と驚いて、降りていったのを目で追ったけれど、それ以上のことはよくわからなかった。

電車では立ちながらスマートフォンを読んでいた。それもあって、この親子の様子などはあまり観察していなかった。殺気立った日本の電車の中などではむしろすすんで周りに対する近くを薄めていたような側面があったけれど、友好的なこちらの電車ではそうする必要がない。外にいるときには、あまり読み物に没頭したりしないようにして、世界の解像度を高く保っておきたいと思ったのだった。

「シラ・キタ・サンパイ」というその微妙に意味が通じるようで通じないようなフレーズを検索してみたけれど、特にばっちり引っかかった情報はなく、むしろカレンダーにスパムを仕込む怪しげなサイトを踏んでしまった。ただの聞き間違いだったのだろうか…。