よるのおわり

日々を愛でる

一時帰国

いろいろあったもののなんとか出発の日になり、Lを保育園に連れて行ったあと、Rに見送られて、空港へ。あまり混んでおらず、2時間前にカウンターが開いたあとはすいすいと中へ。お昼を食べてほっとし、飛行機に乗るとあっという間にヘルシンキ。けっこう雪が積もっており、ここに来てやっと北欧らしさを感じる。空港の中はいまだにクリスマスの雰囲気を売り出しており、デンマークとはちょっと違うニッセ小人 (こちらのは人形っぽいかわいらしさがある) をおもしろく眺め、すこし休憩した後、ゲートまで移動。日本行きの飛行機のゲートの周辺だけ、求められてもいないのに、そこに来ると人びとが一斉にマスクをしはじめ、「ああ、コロナしぐさ…」となにやら感激してしまう。感染防止が目的なら最初からずっとマスクをしていないと効果がないのでは…。隣に座った英語話者のカップルは「なんでみんな突然マスク?」「持ってないよ…」と訝しんでいた。

飛行機は2/3ほど席が埋まっていて、私のところも並び3つが空いていたものの、手すりが上げられないタイプだったため横になって眠ることはできなかった。夜中目を覚ますと、子供を横たえて寝かせて席がなくなった親が隣に座っており、人助けになったならそれは良かった、と思う。中途半端な眠り具合で日本に到着し、荷物をひとつ送り出した後、電車に乗って移動。今回は昨年の6月ほど過密スケジュールではないので、けっこう余裕がある (とはいえそれでもけっこう濃密なスケジュール)。
目的の駅で役所に寄って保育園のことを確認し、買い物を済ませ、バスに乗って滞在先につくともう夕方。あれもこれも…とごちゃごちゃした頭の中を片付けて最優先の物事を済ませ、ふらふらする頭で夕食を作り、その夜は時差があっても22時には眠りにつくことができた。

翌日は祝日で、粛々と片付けや実験を進める。夕方から書類仕事を始めたら次々に新たな物事が着弾し、ひとつを残して終わらせたのは夜中の23時だった。もっとこう、テレビとか見ながらぐうたらしたいのだけれど…。翌日は早いので布団に入ったもののなかなか眠れず、そして2時に目が覚めた後また寝付けなくなってしまい、さすがに睡眠時間3時間はまずいのではと思い1時間ほど布団のなかでがんばったけれど眠れず、しかたないので、最初はお湯に浸かるだけのつもりで起き出して、しかしそうなるとあれもこれもとなってしまい、実験作業をしてお風呂に入ったりおにぎりを食べたり残りひとつの書類仕事を片付けたりしているとあっというまに出かける時間になってしまったのだった (滞在先は山の上で、夜は空気に山の匂いがする)。東京駅まで移動する朝から疲れ切った通勤電車の中では、混雑もあって、頭が痛かった。

夜の湿った匂い、春めいてきたやわらかい空気、梅の花、きれいな夕焼け、そんなものが、「ああ、日本の春の始まりはこんなだったな」となつかしく感じられた。