よるのおわり

日々を愛でる

一瞬だけの光

バスの窓から見上げたマンションの7階くらいのところに、鳥よけのCDがたくさんぶら下げられていて、夕暮れの光をきらきらと反射していた。

 

電車の外には、遠くに、魚の皮膚みたいに光る空があって、淡い色の雲が細くシルエットになっていた。窓の外に過ぎていく水田が、その光を反射して、弱い光がさらさらと並走していく。

木の下

ゴールデンウィークの終わりの頃の夕方,近所のスーパーから家に帰る途中,家のあいだの空き地にふと目をやった.奥に小さな木があって,その下に机があって,ごく軽装の,おじいさんと若い男性が,ふたり向かいあって,将棋か何かを指していた.

また別のとき,近所を自転車で走っていると,草の生い茂った大きな空き地のようなところに出た.その中央には大きな木が青々と枝を広げていて,その下ではおじいさんが農作業に精を出していた.

私も,木の下の日陰で,ゆっくりとなにか作業をしてみたいなと思う.

ブルーの日

夏のような暑さで、暖められた空気が強い風になって吹いていた。布団を干したけれど、布団干しごとめくれがって内側に落ちてしまったため、布団を干すのは諦めてしまった。

 

近所の初めて通る道を迷いながら郵便局に向かい、ああ暑い、ぜんざいでも食べようかな…などと考える。郵便局のひんやりしたクーラーにあたって、しばし涼む。

 

そのまま帰ろうかと思ったものの、ちょっと足を伸ばしてスーパーに行き、食材の買い足し。野菜やお肉は揃っているので、安売りのタコス餃子(なんだそれは…)、半額の出汁巻き、そういうちょっと贅沢なもの。

 

スーパーに入ったときから気になっており、買い物をしながら検討していたブルーシールのアイスクリームを、帰りぎわに購入。イートインのスペースで、「5/9はアイスの日」とのことで(なぜ…?)、通常320円のところが200円になっていたのだった。シングルだったけれど、お兄さんは3回くらいアイスを盛ってくれて、それを食べながら帰路につく。青い空に雲がすいすいと流れて、地上の緑はさわやかにはためいて、気持ちのいいお散歩になった。

 

青緑のチョコミントのアイスは、そこまでミントが効いていなかった。

口をすすぐ場所

チョコレート味のするペーストで歯を磨きながら、口をすすげる場所を探していた。しばらく滞在しているホテルのロビーを通り抜けて、やや裏口感の漂うドアに入り、山と積まれた古着やボロ布の丘を這い上がり、端にある汚い部屋にたどり着いた。

 

ここに、洗面台があったような記憶があったのだ。でもそこにあったのはトイレだけで、口をすすぐことはできなかった。

 

そんな夢。

春のスキップ

3月から4月にかけてあちらこちらをとびまわっていたのだけれど,「季節をひとつ飛ばしちゃってないですか?」と人から言われて,ああたしかに…と気づいてしまったのだった.思えば,今年は,春らしい春を体感できていないような気がする.

しかし,飛ばしたぶん何があったかというと,それもやはり結局は春なわけなのだった.