よるのおわり

日々を愛でる

青い空と暗い空

そのレトロで古びた銭湯の書き割りは,富士山だった.
でも,上半分は真っ青に塗られていて,主役は空のようにも見える.
時は容赦なく襲いかかったようで,その青の端は黒ずんでいた.

夏の空は真っ青に見える.
けれど,真っ暗な何かが忍び寄ってくるような感覚も強くある.

書き割りを眺めながら,夏の空を思い浮かべていた.