「ペマ・ツェテン映画祭」でチベットの現代映画を観てきた.
山間部や草原の遠景が,風の音や草の匂いをここまで運んでくるような美しさだったし,表情や演出を抑制した静かな雰囲気から,登場人物の心の動きがおだやかに伝わってくるようだった.
映画は同時に,伝統的な暮らしのなかに現代的なるものが否応なしに入りこんでくるさまも映し出していた.宗教的な愛やひたむきな愛に対する趣味的な恋愛とか,遊牧民の挟持に対する資本主義とか.
トークイベントで聞いたところによると,映画監督とプロデューサー※は,それぞれが小説家と詩人だったみたいで,静かに流れるような物語のことを思うと,それもなんとなくわかるような気がした.
ついでに,関係ないけど,渋谷の街中にネコがいたので.
ネコがいたから許す。
※ ところで,映画のプロデューサーって何をする仕事なのでしょう…(よく知らない)