よるのおわり

日々を愛でる

温室

息抜きを兼ねて温室に行った.外は寒い.風が吹いて,コートを着てこなかったことを少し悔やむ.そういえば今日は朝も空が暗くて,強い風が吹いていた.

学名やデンマーク語の説明文を読みながら,これはなんだろうか…と想像しながら歩く.そうした手がかりをもとに,これはこの植物ではないか…とWeb検索してみる.当たっているとうれしくなる.ザミアやサゴヤシなど,論文や学術書で目にしたことのある植物の実物をみつける.タコノキや月桃やイチジクなど,なつかしい植物もみつける.

初めて入った別な部屋はちょっと気温が低く,天井では冷え冷えとする扇風機が回っていた.向うまで並ぶ植物のラベルには「Afrika」と書いてあり,もしかしたらアフリカの高原地帯に生息する植物が集められているのかもしれない.針葉樹のような灌木のような,不思議な木が並ぶ.

温室の一番奥にあるまた別な部屋は,メインの部屋と同じくらい暖かく,真ん中に池があって川のように水が流れている.水中には見たことのない魚がおり,虫の声がたまに聞こえ,通路には小さなカエルが飛び跳ねていた.茂みのなかには彫刻の胸像が置いてあり,マングローブの枝葉に隠されて正面からは見えなくなっていた.先週はしっかり直立していたショクダイオオコンニャクはすでに根本から倒れ,未熟なセロリの葉っぱのように色が抜けていた.

天気予報を見ると夕方から雨.この強風に雨まで降ってきたらかなわないので,大急ぎで仕事を仕上げて早々に帰宅する.途中の魚屋では,前から気になっていた魚肉ハンバーグを買ってみる.

向かいの建物では,若い夫婦がキッチンで料理を作りながら踊っていた.傍らにはろうそくの暖かい火.なんだかとってもうらやましい.

魚肉ハンバーグは濃い味付けで,4分の1だけ食べた残りは冷凍しておいた.