よるのおわり

日々を愛でる

ヘルシンキ1日目

年末,朝早く家を出て空港に移動した.電車のなかでチーズをのせたパンを一切れ,空港ではチェックインの後に,チーズとハムをのせた黒パンのサンドイッチとリンゴを食べた.空港ではどのお店もまだ開いていない.向かう先はヘルシンキ.1時間半のフライトで,LCCだけれどコーヒーが出る.

あっというまに到着して,しかしまだ,やっと空が明るくなってきたくらい.中心部に移動するために1日券を購入し,電車に乗り込む.電車の中はオレンジ色の光でやさしく照らされ,電車の外には雪景色が広がっている.駅に停車して扉が開くと冷たい空気が入ってくる.

はじめに,通過駅のひとつにある「光の教会」.うっすらとした雪景色の郊外の駅から歩いてすぐ,白樺の林の奥に.教会の中はだいぶ暖かく,そして白くてやわらかな光に満ちていた.天井からランダムにぶらさがったランプが,薄暗い空に浮かぶ星のように,澄んだ光を発している.ここで数時間ぼーっとしていてもいいけれど,今回の旅ではそうした余裕が許されていないので,早々と切り上げて先を急ぐ.

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ふたたび電車に乗って,ヘルシンキの中央駅へ.街を歩いて集合場所へ.時間はまだある.しかし,年末のためか,岩の教会もカンピ礼拝堂も開くのは午後からとのこと.途中ストックマンに寄って,地下の食品コーナーでパンを買っておやつにする.体が温まっていく.

集合場所のオールドマーケットは年末のため閉店中.集まった友人たちと相談して,近くのレストランへ.サケのスープとホットワインで温まりながら,話に花を咲かせる.この時期のヘルシンキは,月間の日照時間が20-30時間くらいしかないのだそうな.あとは曇りかみぞれ混じりの雨とのこと.たしかに街中では,雪が一切見られない.

フェリーの時間にあわせて切り上げて,チケットを買ってスオメンリンナへ移動する.15分ほどで島につき,あてもなくふらふらと散策する.曇った空に冷たい風がびょうびょうと容赦なくふきつけて,すさまじいところだなと思う.ぽつぽつと家もあるけれど,人の気配があまりない.夏の別荘なのだろうか.厳冬期には流氷もやってくるらしい.見てみたいな.

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予定していたのより早いフェリーに乗り,またヘルシンキへ.フェリーから降り,目の前のクリスマスマーケットに一目散に駆け込み,たまらずホットワインを買って飲む.甘いアルコールがおなかをあたためて,やっとひとごこちついたような気がする.

次の予定まではちょっと時間があったので,ヘルシンキ大聖堂へ.まだ16時過ぎなのに街は真っ暗で,暗闇のなかで白く浮かびあがる大聖堂がキーンとして見える.前の広場には大きなクリスマスツリー.内部は荘厳なつくり.まだまだ時間があったので,あらためてストックマンへ.いろいろな階を物色してまわり,人びとの興味の合致したキッチン用品のコーナーでしばし時間をすごす.ムーミンカフェも見学する.マリメッコもひやかしにいく.

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そうして,トラムに乗って,ちょっとはずれにあるサウナへ.サウナのことはまた詳しく書くとして,ここで2時間をたっぷり過ごして,すっかり温まった.

サウナを出る頃には湿った雪が降り始めている.足早に移動し,夕飯を予約しておいたレストランへ.店員さんがとてもにこやかで,サラダもメインもワインもとってもおいしく,それぞれの近況やこれからのことなんかを楽しくおしゃべりしながら,またあっというまに2時間が過ぎる.

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レストランを出た後は友人と別れ,さらに湿った雪の中をホテルへ急ぐ.なぜか大混雑しているトラムに乗って,近くの駅で降り,しばしホテルの場所を探し歩いた後,チェックインし,部屋に移動して,シャワーを浴びて,23時頃にばたりと倒れるように眠りについたのだった.明日の朝も早いのだ…