よるのおわり

日々を愛でる

小指

シンクの乾かし棚に乗せたお皿を取ろうとすると、その横のフライ返しがひっくり返り、それに動かされて包丁が落ちてきた。反射的に手を差し出してしまい、刃の面をくるりと回転させた包丁は小指の先をすっぱり切りながら落ちていった。
傷が浅かったのもあるのだけれど、あまりにきれいに切れたためか、最初の数分間はまったく血が出てこなかった。左右からおさえぎみにして、心臓より高い位置に上げ、しばらく安静にしていると、血はにじむ程度で止まった。左の小指でキーをタイプするときだけ、痛い。