よるのおわり

日々を愛でる

道ジュネー

夜中、Lが眠ったあと、外からエイサーの声が聞こえるような気がする。窓を開けるとたしかに音がしている。もう布団に入っていたRと相談して、ちょっと見に行こうか、ということになる。練習でもしているのだろうか。

家の前の道に出て、音のするほうに歩き出すと、向こうのほうからざわざわした人びとがやってくる気配がする。先頭に三線を引く人と、投光器にアンプを乗せた台を押す人、そしてそのあとからエイサーを踊る男たちと、それに続いて芭蕉布風の着物の女たち、最後尾には軽トラが続き、見物の子供たちやらその親たちやらがやってきた。

交差点のところで一団は止まり、大きなかけ声や太鼓でエイサーを踊り始めた。アンプのついた三線なんて初めて見た。募金箱を持った女性や、顔を真っ白に塗ったひょうきんな役柄の男性が辺りを駆け回り、みんなとっても楽しそう。ちょうどお盆だし、これは道ジュネーだ。Rによると、道ジュネーはこんかふうに夜にすることもあるとのこと。そして近所との軋轢があることもあるそう。こんなに大きな音出してたらそうだよなあ…とも思うけれど、見てるとこっちまで楽しくなってくる。

ひとしきりエイサーを踊ったあと、寄付してくれた人たちの名前を「どこどこの誰さん、金一封!」と読みあげて盛り上がる。先日は昼間に道ジュネーを見たけれど、それはおじさんと子供たちがやっていて若者がおらず、なんとなく迫力に欠けていた。けれど今回のは、男女ともに私たちくらいの世代の若い人たちが中心で、先頭の旗には「青年会」と書いてある。だからなのか、とてもよく盛り上がっている。一団はまた道を歩いていったけれど、夜も22時を過ぎていたので私たちは帰って眠った。

翌日、あれは夢だったのだろうか…と思うくらい、道ジュネーの通った道は普段通りだった。