よるのおわり

日々を愛でる

ふたつの朝

老人ホームとなにかの会社の独身寮を、朝、窓の外から少し覗いた。老人ホームではオレンジ色のやわらかい光に照らされて、入居者たちが窓辺に集り憩っているようだった。独身寮では、薄暗い一階の大広間に1人用の机とパイプ椅子がテレビの方向に向かって並べられ、入居者は互いに目も合わせず、手元に目を落とすこともなく、まるでテレビに視線を固定されているかのように、機械的に朝ごはんを食べていた。

ふうん…と思いながら通り過ぎた。