よるのおわり

日々を愛でる

大車輪

半日お仕事をしていた近所のカフェからの帰り.外はもう夕暮れ.北西のほうに雷雲があって,その下がザラザラとした空気のように見える.きっとあそこではスコールが降っている.

オオコウモリを探しながら歩く.いつもとは違う道を通ると,道の先の電線に2羽のオオコウモリがとまっている! オオコウモリは電線にぶらさがって,大車輪みたいにぐるんぐるん回るというので,ちょっと期待しながら,上を向いて歩くけれど,大車輪の気配はない.もぞもぞと足や翼を動かして,位置を変えたりするばかり.せめて,スマートフォンを取り出して写真を撮ってみるも,薄闇で距離があるから,何を撮っているのよくわからない写真ができあがる.

もしかしたら,オオコウモリがぐるぐる回るには,もっと暗くないといけないのかもしれない.

首と顔の夢

タクシーから最後に降りたときに忘れ物かと思って取ってきたビニール袋を,みな知らないという.前のお客さんか,タクシーの運転手のものなのかしら….なかには,気味の悪い真っ白なマネキンの首.でもすこしインターネットで調べてみたら,プレミアのついたもので,100万円くらいの値段がするらしい.どうしよう…

博物館の倉庫には,マヤ文明かなにかの,顔の描かれた石の板がたくさん置いてある.2段目にのぼって,腰ほどもあるそれらの板を避けながら作業をしていたのだけれど,引っかかっていくつか落としてしまう.下をちょうど人が通って,危ないところだった.いやはや…

懸念のメールが来て,喜んでいいのか悪いのか複雑な気分になる.

そんな夢を見た.

跳ねる魚

ここに来てから数日経って、これまではずっと細い雨が降っていたのだけれど、今日になってやっと青空を見たような気がする。河口の川洲にあって、路面電車の走る美しい街。

朝、バスに乗って出勤していると、真っ青に光る川の中ほどに何かが見えた。アザラシみたいな顔だったような気がした。続けて見ていると、波が少し動いて、動いた先から大きな魚が飛び跳ねて、1mくらい先に着水した。何かから逃げたのだろうか?

確認する間はなく、バスはトンネルに入っていって、川は見えなくなった。

犬の青リンゴ

旅先にしては珍しくぐっすり眠れたけれど、睡眠時間が足りなくて、まだ寝足りない。

 

早朝、向こうから来た散歩中の陽気な犬が、なにか緑色のものをくわえている。飼い主にじゃれついたときに、その緑色の丸いものが落っこちる。

遠目には、あの懐かしいメロンシャーベットの容器のように見えたけれど、だんだん近づいてすれ違うとき、青リンゴであることがわかった。犬は、大はしゃぎで、青リンゴをちょっと蹴飛ばした後、ふたたびくわえる。

犬が青リンゴをくわえると、「プゥー」というまぬけな音がして、それは本物ではなく、ソフビ製のおもちゃの青リンゴであることがわかった。

 

秋のような、涼しい朝。