朝まだ暗いうちに温泉に入る。窓を少し開けると、冬の冷気が入り込んできて、東山で嗅いだような濃い森の匂いがする。ほかに人はいない。木々を揺らす外の風は夏の礼文を思い出させる。体を伸ばしたりしながら、世界のすべてがここにある、などと思う。
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