よるのおわり

日々を愛でる

球の呼吸

手のひらの上には色とりどりの小さな丸い球が乗っており、細いパイプが複雑に絡み合ったような大きな機構(岡本太郎の作らしい)の上にそれをあける。すると球はあちこちに運ばれていき、球のさまざまな色があちらこちらで点滅する。一部はそのまま水のなかに入り、10メートルくらいの水深で泥の上にやさしく落ちる。私はそれを追って水の中を落ちていき、直径1.5 cmくらいの赤い球を泥の中からつまみあげようとしたところで、ここは自分の居ていいところではないことを急に悟り、一気に水中を浮上しはじめる。

 

……そうして目が覚めたときには妙に息苦しく、手を伸ばして寝室の扉を開けて、廊下の涼しい空気を深呼吸した。