よるのおわり

日々を愛でる

血を盛る袋

洗面所でLを抱き上げて、重くなったなあ…(しかし実際には赤ちゃんの頃の軽さを忘れていて、そのときどきで初めて経験する重さに「重くなったなあ…」と思っている気がする)と思いつつ、自分の体重は○kgあるのだなあと考える。自分の体は自分で楽々と運用できているけれど、同じ重さの水の袋だったらとてもじゃないけれど持つこともできない。それだけの「水」が今ここでばしゃっと水になったら、排水溝では処理しきれず、下の階にも漏れていってしまうかもしれない。
夏目漱石の小説に人体を「血を盛る袋」と例えた描写があって(たしか『それから』だったと思う)、読んだのはもう10年以上前だけれど、いまだに頭のなかに残っている。