よるのおわり

日々を愛でる

雪にはだんだん愛着がわいてくるのかもしれない.だだっ広い新千歳の滑走路にも,車窓から見える知らない町にも,札幌の街中にも,嘘みたいに雪が降り積もっていて,驚きはすみやかに現実感に変わっていった.旅程が終わって羽田に降り立ったとき,風景を覆う白い雪が見えないことに,軽い失望を覚えたくらいだった.

そういえば,受験勉強をしていたときに大雪が降ったことがあって,窓の外をふわふわ落ちていく雪を,一晩中何もせずに眺めていたい思いに駆られた.そのとき,舞う雪を気の済むまで眺めている余裕すら自身の手で圧迫していくような人生にどのような意味があるのか,考えたことを,10年以上経った今でも覚えている.幸か不幸か,今でもその答えはわからないし,雪を眺める余裕もそれほど多くは持っていない様子なのだった.


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