よるのおわり

日々を愛でる

ジャスミン

スクーターで走って帰ってくる途中に,なんだかいい匂いにあふれた通りに出くわした.住宅街の裏道,ほかに車はまったく走っていない.夕方のほの暗くなりかけた光のなかで,そういえば,道の両端の植え込みがぽつぽつと白い.よく見ると,葉っぱの小さな,あまり見かけない樹種に,小さな白い花がぶわっと咲いて,ずっとつづいている.

この匂い,どこかで嗅いだことがあるような….道の切れる最後のところで,やっぱりスクーターを引き返して,植え込みの花の写真を撮る.

こんなにいい匂いのする道を通ったんだよ,と妻にその写真を送って,ついでに,なんの花か訊いてみる.

ジャスミンじゃないかな」

たしかに,たしかにそのとおり.ジャスミンティーに入っているあの白い花だし,あの強い香りも同じ.
私は,妻に,植物の名前を教えてもらうのが好きだ.