よるのおわり

日々を愛でる

雨上がり

電車をおりると、雨があがっていた。秋めいてきた空気に磨きがかかり、だいぶ肌寒くなっている。頭上を見あげると、まだまだ厚い雲が空を覆っている。しかし、遠くのほうの雲の切れるところでは、雲の切れ端がぽこりぽこりと浮かんでいて、その背景に黄金色の陽の光が見えていた。ふわふわの雲の層の上に、はちみつがたっぷりかかっていて、雲のはじっこからそのはちみつが垂れ落ちているような、そんな気がした。

道路はところどころ乾きはじめていて、場所によっては、濡れている部分のほうが小さく縮こまっているところもある。高架から滴り落ちる水を見あげながら、二人連れの母親がわいわい笑っていたり、急に遠くまで見渡せるようになった気がする景色が新鮮で、なんだかくつくつと楽しくなってきたり。朝は雨が降っていたんだな…と思いながら、家に帰ってきた。