よるのおわり

日々を愛でる

道路1本隔てた横には冬の海が広がっており,その道路に面したホテルの裏庭には,公園が広がっていた.ホテルというよりは家という感じで,2階建てのこじんまりした,でも居心地の良いところ.

部屋の窓は公園に面していて,噴水のある大きな池を芝生が取り囲む借景となっている.うっすら雪の積もった公園はすごく寒そうだけれども,カモやカモメや名前のよくわからないトリが数百くらい,たぶん,そこに住んでいる.公園の向こうには街が広がっており,公園と街のあいだには中世の城壁がそびえている.

夜中や明け方,部屋に置いてあるロウソクにマッチで火をつけて,静かに燃える炎の向こうでときどき鳴くカモの声を聞く.