よるのおわり

日々を愛でる

黒い川

塩の満ち引きや雨の降り方などで、川の色や透明度が変わるらしい。昨日の川は真っ黒になって、しかし透明度は高く、夕方の弱い光を吸収しているようにすら見えた。
そのなかを、どこから紛れ込んだのか、金色の鯉がすーっと泳いでいった。鯉はたまに見るけれど、金色のは初めて。空中を浮かんでいるような、不思議な浮遊感をまとっていた。
先に行くと、川の中ほどに動かない鳥がうずくまっていた。羽は濡れて、頭は垂れて目は閉じられており、ただならぬ雰囲気。黒い水の上に所在なさげに浮かんでいる。この鳥を見守っている男の人がいて、帰りに通りかかったときもまだ見守っていた。あれからあの鳥はどうなっただろう……