よるのおわり

日々を愛でる

夕暮れのソファーでお香を見つめるのこと

家庭内感染がやっとおさまった雰囲気になった日曜日、Lがマッチ式のお香を引き出しから出して興味深そうに遊んでいた。危ないからと取り上げるのもかわいそうな気がして、じゃあ一緒につけてみる?と、外箱でシュッとやって、不燃性の台に置いた。置く前に炎は消えて、スーッと立ち上る煙とともにいい匂いが漂ってきた。時刻はもう20時を過ぎているのだけれど、サマータイムが始まったので、まだ日中の明るさが残っている。まさに黄昏時、という感じ。
Lは早々に興味をなくしてどこかに行ってしまい、ソファーに座ってしばし煙を見つめながらたそがれていた。日本の夏をすこし思い出したりした。
煙は数分で消えて、ソファーを立ってみんなで寝室に移動した。なんだか価値のある数分だった。