よるのおわり

日々を愛でる

ゼラニウム

午前で仕事を終わらせて、お昼前から世界一のレストランへ。スタジアムにくっついており意外性がある。入口ではスーツの店員さんたちに迎えられてすこしたじろいだものの、ぞくぞくカジュアルなお客さんたちが入ってきて安心する。
ひとさらひとさら出てくる料理は、見た目からまったく想像できない味の連続で、食感や味覚のかけ算みたいな感じでとてもおいしくおもしろい体験だった。緑のつぶつぶ冷製スープ、焚き火の出汁、ほっぺたのおちるホタテ、松のアイス、シーベリーのソルベ、などなど。キッチンのツアーも楽しく見学し、まかないがあるなどもわかって疑問点も解消された。システムをよく理解しておらず、価格に躊躇したこともあってワインなどは頼まなかったけれど、飲み物も不思議な感じだった。ポートトングでワインを開けるところなんて初めて見た。大きなテーブルのおじさんたち6名はすっかりできあがっていて、紳士ではあったものの、こういうのは万国共通なのか…とやや残念な気持ちに。
あっというまにお迎えに行かねばならない時刻となり、最後のデザートはまとめて出てきて、会計を済ませて帰途に着いた。サービスもとても親切でうれしかったけれど、チップの数%がどれくらいになるか…と考えていろいろ尻込みしてしまうなど。
一生に一度あるかないかくらいの経験だったけれど、人生の経験値が上がったように思った。その夜は、思い出した味が下の上にときたま蘇るような感覚を味わった。