よるのおわり

日々を愛でる

朝の音

朝に聞こえる音,というものには,場所によって個性がある.

以前,博物館にいたときには,近くの警察署で剣道だか柔道だかの朝稽古をする声が聞こえてきた.前を通りかかって,最上階がワンフロアまるごと道場みたいになっているのを見て,それと知った.それを見るまでは,消防署かなにかで,ロープを昇り降りするような訓練をしているのだと勝手に想像していたのだから,なんだかおもしろいものである.

そこではときどき,風にのってラジオ体操の音も聞こえてきた.のんびりした陽のさす日曜の早朝なんかだったと記憶している.(ところで,音が風に乗るっていう表現,とてもすてきだなと思うのですが,いかがでしょうか…?)

今のところでは,場所がら,お寺の鐘の音なんかが聞こえる.梅雨の大気が水分に満たされていて,音がよく響く.ほかにもたとえば冬の寒い朝なんかに,まだ周りが暗いうちにこの音を聞くのは,なかなか良いものです.