よるのおわり

日々を愛でる

夕暮れの青

土曜に職場でひとり朝から仕事をして、夜にやっと終わらせることができた。休日は職場までバスが来ないので、最寄り(といっても徒歩15分かかる)のバス停まで歩く。この辺りの工業地帯は、土日は本当に人がいなくて静かになるのだけれど、誰もいない工場の建物や屋根の向こう、夜になりかかっている夕暮れの空が深い水のように青くて、雲が薄く混ざり合っているその手前にそびえる建物のシルエットは、泣きそうなほどきれいだった。バスに乗って駅の方に行くと、建物には灯りがついていて誰かがおり、静かな空の美しさは、そちらのほうには存在していなかった。

こちらに帰ってくると、風雨が強い。空港から出ると湿気が全身を包む。ああ帰ってきたな…と思う。バスの窓からは、大きな野原の草や木が風に揺れて、夕暮れの青のなかで雨になじんでいるのが見えた。こちらの夕暮れも、深い青をしていた。

f:id:tsutatsutatsuta:20190602222205j:image