よるのおわり

日々を愛でる

氷の島旅行 4日目

夜中は外で雨が降っている心地よい音がしていた。人里離れたとても奥地の静かな空気。それもあって、朝はわりと遅くまで眠っていた。外はやはりあいかわらずの雨。リビングの大きな窓から見える灰色の静かな風景が本当に美しい。

メインの建物はかつての牛小屋で、外壁のコンクリートはそのまま残されつつ、その空間を半屋外の回廊のようにして、内部に新たなコンクリートのモダンな建物が作られている。半分は宿舎で、こちらは牛がテーマの客室になっている。朝食の部屋では、大きく開かれた窓から海が臨めて、雨混じりの灰色の景色が本当にすてき。朝食もパンやハムやチーズの簡単なものだけれど、手作りのケーキやジャムがあって、乳製品も新鮮でおいしいような気がする。食べながらオーナーと話をしたりして、アイスランドは魚介類の加工技術と地熱の利用で世界の先端を走っていることを教えてもらう。また、火山の噴火もしばしばあるようで、観光資源であったり災害リスクであったりもする現状がわかった。

朝食が終わり、宿舎を案内してもらった後、車に乗って出発。今日は移動距離が長い。まずは未舗装の道路を反対側にがたがたと走っていく。途中で、4WDに乗ったフランスの夫妻に追い越され、追い越されがてらお互いにあいさつ。今日は山側に寄ったすばらしい景色があいかわらず続き、しかし30分間で抜けるべき道を1時間かけて抜けた。出た舗装路は2日前に通ったところ。打って変わって猛スピードで南下していく。南に移動するにつれ空は晴れてきて、照り返しがまぶしくなる。サングラスを念のために持ってきたけれど、それが役に立つ。何度か交代して、スーパーにたどり着いた頃には昼前。集中して運転していたのでお腹が空いたし、じゃっかん車酔い。こういうときはアイスクリームを食べるに限るということでスーパーにみんなで突進し、Lの希望であまり美味しくなさそうなレインボーのアイスクリームコーン4個入りを購入(デンマークのスーパーでよく見かけるプライベートブランドのもの)。ひとり一本食べ、お腹の空いていた私はもう一本。休憩もそこそこに車を出して、また道を急いだ。

その後、東の方に移動し、昼過ぎに間欠泉に到着。空港からのアクセスも良いため観光地化されていて、大きな駐車場にはたくさん車が停まっており、大混雑のレストランが併設。お湯が地面から湧き出し、間欠泉では直径数メートル超えの穴の中でお湯が煮立っていて、それが数分おきくらいにボコッとしてブシャーと噴き上がる。みんなその瞬間をおさめようとカメラやスマートフォンをずっと向けていたのがおもしろかった。お湯のせいか周囲は心なしか暖かい。

あまりに人がたくさんいるのでそうそうに引き上げ、近くの滝へ。こちらもたくさん人がいて混雑しており、しかも雨が降ってきたため、奥まで行かずにすぐに引き返す。さて、このあと、また長い距離を通ってレイキャビークの宿まで行かねばならないし、19時からはレストランも予約している。もうかなりいい時間で、あまりたくさんの場所に立ち寄る余裕はなさそう。ということで、目的地のひとつだったクレーターは諦めて、温泉でゆったりすることにする。Lが嫌がってまったく堪能できない恐れがあったため、入場料が高くて有名なブルーラグーンではなく、こじんまりとして安価なシークレットラグーンを選択。

実際に行ってみると、浮き輪のせいかLは大満足で温泉に入っており、また場所自体もこじんまりとしていて歴史も感じられてとてもよろしい。1時間ほどゆっくり浸かったのち、出て、レイキャビークを目指す。

市営の駐車場に停めた頃には19時少し前で、急いでレストランへ移動。パフィンの燻製肉とスープと魚を食べたけれど、こんなもんかという感じ。お店を出て夜の街を歩き、車に乗ってホテルに移動してチェックインし、すこしゆったりしてから眠った。街中だけあってホテルはホテルという感じで、無機質に思えた。

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