よるのおわり

日々を愛でる

絵葉書

大きな南の島の森のなかで絵葉書にメッセージを書いた。これが届くのはおそらく地球の裏側から帰ってきた後になるだろうと思いつつ、その前に届いてしまったらなんだかきまりが悪いので、そのことには特に触れなかった。地球の裏側はどんな感じだろうか。元気に帰ってこられるだろうか。まったく想像がつかない。

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地球の裏側から帰ってきて、絵葉書を出したこともすっかり忘れていたある日、絵葉書が届いたよと連絡があった。この絵葉書を出したときには地球の裏側のことなんかまったく想像がつかなかったのに、今はそのイメージも新鮮に手でつかめるくらい近くにある。
森のなかでしたためたときの記憶と地球の裏側から帰ってきた印象はあまりに隔たっており、時間を超えて届いたタイムカプセルのようなおもむきがあった。