よるのおわり

日々を愛でる

秋のタバコ

端っこの部屋は住居の廊下を我が物顔に占拠しており、階によっては実にフリーダムな世界が広がっている。秋の透明な陽の光が差し込むある朝、階段を駆け降りているとそうした部屋の前の廊下のひとつが煙でもくもくしていた。何事かと引き返してよく見てみると、室内からタバコの煙が漏れ出ていた。煙は光に照らされて、香ばしい匂いとつぶつぶした明るさをあたりに撒き散らしている。

なんだか神秘的な光景に思えてしまい、写真を一枚撮った後、またすぐに階段へ戻った。