よるのおわり

日々を愛でる

ホリデーホーム(前編)

夏休みということで、大学のサマーハウスまで。場所はSkagenデンマークの北の先端。冬に1日だけ訪れたものの、とにかく寒くて、浜辺の北端までは行けず、砂丘なども見られなかった。どのサマーハウスを選択するかを考えた際、この場所をもう一度訪れたいねということで、この家に申し込み、抽選が通った。
とはいえやはりSkagenは遠く、中央駅から朝発の電車に乗って4時間、まずはAalborgまで。飽きたLの相手で疲れる。バイキングの遺跡を見るため、駅からバスに乗って移動。丘一面に火葬に用いた石組みが残り、博物館を見たあとに歩く。そこまで見るものも多くはなく、早めのバスでまた駅まで戻る。ごはんなどの買い出しをして、電車に乗ってさらに北を目指す。
2時間で目指す駅につき、駅から少し歩くとすぐにおうち。まさに別荘といった感じの居心地のいい部屋で、一通りのものはそろっている。庭は木立の向こうに見える家の境界と溶け合い、一面に高山植物のような紫の花が咲いていた (後日、heatherという植物Calluna vulgarisであると知る)。スーパーで買ってきた冷凍のタルトをオーブンでばばっと焼いて夕食とし、早く寝た。

翌日は日曜で、ゆっくり朝ごはん(北欧バイキング風)を食べたあと、自転車に乗って散歩に出る。チャイルドシートつきのが一台あってよかった。温かい光のさす気持ちのいい森の中を通り、移動する砂丘まで。大きな砂の山を登り、白い砂が遠くまで広がっているのを眺める。自転車に乗って帰り、家で簡単な食事。お昼は買い出ししておらず、また自転車に乗って今度は南の街まで。北の涼しい気候に気持ちのいい夏晴れが加わり、海辺の美しい道を走っているときにはうきうきした気分になる。
自転車で走っていると暑くなってきたこともあり、スーパーではまずアイスクリームを食べて休憩し、周囲を散歩して海まで出た。Lはお決まりの貝殻拾い。大人たちは昆布に群がるハエめがけて石を放り投げてしばし遊ぶ。浜辺に面したアイスクリーム屋にはささやかな列ができていた(けれど全体的に人は少ない)。すっかり昼もだいぶ過ぎており、スーパーで買い物をして自転車の荷台に積み込み、家に戻る。空の上を黒い雲がやってきており、あーまずいかな…と思っているとやっぱり的中してしまい、家を目前にして本降りの雨になってしまう。キャンプ場手前の多目的トイレに駆け込み、内部で雨宿り。人は少ないので雨のあいだは誰もやってこなかった。先ほどのスーパーで購入したナッツをぽりぽりしたりして空腹を紛らわしつつ、1時間ほどしてやんだ後を家に帰り、簡単にお昼を作って食べた。腹ごなしに家の近くを歩いて海まで。その夜もオーブン焼きで、お肉をたらふく食べる。

翌日は月曜、朝ごはんを食べた後にまたでかけ、今度は砂丘の反対側へ。陽光が差し込む森の木立の中を自転車で走っていると、「夏休み!」という気分が昂まってうれしくなる。道に迷ったり、線路で写真を撮ったり、池のほとりに大麻を吸う人とおしゃべりしたりしつつ、砂丘に到着。こちらは、風上の、砂丘が飲み込んで無となった植生が回復していっているところで、見渡す限り高山植物のような草地と、ときどき沼の広がる景観となっていた。裸足になると、砂は雨を吸い込んで重く、夏なのに冷たかった。粒は細かく、小麦粉を踏んでいるようにギュッと陥没した。
グミを食べて腹ごしらえしたりしつつ、また自転車に乗っておうちに戻る。11:15からのミーティングにオンラインで参加したものの、注意力散漫であまり内容が頭に入らず。休むときにはしっかり休むべきだった。並行してオーブンで焼いていた冷凍ピーカンデニッシュの仕上がりが最高で、陽の当たるテラスの机でコーヒーと一緒にそれを食べるRとLに一刻も早く合流したかった。
午後からはSkagenの街に電車で出かけ、お昼の場所を物色。結局、トラック屋台のホットドッグを食べ(けっこう混んでいた)、ブリュワリーのプレートとビールお試しセットで昼から飲み始め、お腹を満たした。街中は夏の陽気にあふれ、人でたくさんだった。冬のSkagenの閑散とした感じとはだいぶ違う。港まで歩いていくと、ディズニークルーズ(調べた)が停泊していて、街中にも関係者やゲストと思しき人びとが歩いていた。スーパーで買い出しをして帰宅。ちょっと悪酔いして頭が痛くなり、頭が痛いまま夜を眠った。それにしても、3日目ですでにそうとう夏休み感にあふれており、これが1週間あると考えると本当にうれしい。

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