よるのおわり

日々を愛でる

ぐっすり眠った

ずっと雨だったのだけれど、西のほうでは総じてさわやかな気分だった。
まず、住んでいたときも感じていたけれど、街の雰囲気が違う。こちらのほうはあくせくしてぎすぎすして空疎な感じだけれど、あちらのほうは、なんというか、余裕があるように思う。スマートフォンに目を釘付けにしているのではなく、お手製のカバーをかけた古本と思しき文庫本を読んでいる人を何人か見かけたり、街を散歩していても、空が低くて、ささいな風景やお店の佇まいに見飽きることがない。異質なものを許容するような空気を感じて、居心地がいいなと思う。
雨がずーっと降っているというのも悪くない。あたりがちょっと暗くて、傘のおかげで守られているような気がして、たとえばぼんやり外を眺めていても罪悪感がない。ローテンションであることが当然であって良いような雰囲気。

仕事の終わったあとのホテルで、地下のサウナに入り、テイクアウトしてきた蒸し豚などを部屋で食べながら、ぼんやり過ごすような時間。外は雨。いろいろなものが濡れて、夜の光にきらきらしている。こういう時間は実はかなりぜいたくなのだということを思う。

寝る前にテレビをぼんやり眺めていたら、ソーイングビーをやっていた。以前観たときの参加者がまだいて、今回は決勝とのこと。人柄が良さそうな参加者が残っていて、ちょっとうれしい。でも、作った作品を見た感じ、優勝はできなさそうだな……。結果は次回に続く、となって、観ることのできない続きが気になりながら、その夜はぐっすり眠った。