帰国して,日本のカレーをむしょうに食べたくなった.なぜかは知らないけれど,カレーである.「カレー」という言葉が脳内に現れたとき,私はもうその魅力に抵抗するすべを持たなかった.
お昼に,机の中をあさってみた.賞味期限の切れたレトルトのお米と,賞味期限の切れたレトルトのカレーが出てきた.さすが私,備えは十分である.しかし残念なことに,カレーは本格的な「スリランカ・キーマカレー」なのだった.このときばかりは,私が食べたかったのは,こういう高級なカレーではなくて,コンビニに100円で売っているような,もっと安っぽいカレーなのだった.
でも,しかたない.スリランカ・キーマカレーだってカレーには違いないし,夜には家でまたカレーを作れば良いではないか.そうしてお昼にカレーを食べた.戸惑いを吹き飛ばすようなおいしさであった.
夜,家でカレーを作る.ことのほか,タマネギが目にしみた.