よるのおわり

日々を愛でる

ポエ

赤崁楼で、学問の神様のような像があって、その前に、木製で三日月型のコロっとしたお祈り具が置いてあった。ガイドブックや説明板に書いてあったけれど、願い事を唱えながらこれを放り投げて、片方は表でもう片方は裏だったらYes、裏表が揃ってしまったらNoとなるのだという。(ということを、そこにいた現地の人に聞いたRも言っていた)。あとでインターネットで調べると、これは擲筊(ポエ)というらしく、Yesが出るまで微妙に願い事を変えながら投げ続けて良いのだという。なんておおらかのだろう。気に入った。

f:id:tsutatsutatsuta:20190812205410j:image

赤崁楼のお土産ショップで、ポエを売っていないか聞いてみたけれど、ここにはないかな…ときょとんとされてしまった。

そのようなわけで、台南でのポエ探しが始まった。ウチカビの豪華版のようなキラキラしたお参り道具を売っているお店でポエの写真を見せて、ある? みたいに聞くけれど、すべてつれない返事。雑貨の売り場が併設されたセレクト本屋では、ポエのマグネットがあって、これで妥協しようか……という気分になってきたけれど、平らでのっぺりしていて、本物とは似ても似つかない。想いをぐっとこらえて買わずに出てきた。

f:id:tsutatsutatsuta:20190812205617j:image

そして帰国の前日、安平の静かな路地裏を歩いていたときのこと。この日は雨も降らずに真夏の日光が降り注ぎ、風邪をひいていたこともあって頭が痛くて大変だった。とりあえず安平古堡を見て、豆花のお店まで歩いてくときに、おばあちゃんがひとりで留守番をしていて素朴な店構えのお参り道具店に出会った。あんまり期待せずに、ポエの写真を見せると、あるよ、持ってくるから待っててね、といったようなことを言ってくれる。

そして持ってきてくれたのが、大きなポエと小さなポエで、なにも着色されていないのが欲しかったけれど、赤いのしかなかったので、小さいほうを選んで30台湾ドル。こじんまりとしたお店の雰囲気も、ポエのころんとしたかわいらしさも、なんだかとっても気に入ったのだった。

f:id:tsutatsutatsuta:20190812205553j:image