よるのおわり

日々を愛でる

ひとりのホテルの夜

一日の用事が終わり、何度か通過することはあっても降りたのは初めての駅にあるホテルに夕方たどり着き、荷物を放り出して一息ついて、さて夕食を買い出しに行こうとエコバッグだけ持って再び出かける。駅にはショッピングモールが隣接していて、駅に近い側は地方都市の寂れた駅ビルといった雰囲気で、しかしいちばん離れたおそらくもっとも新しいであろうビルには、大きなスーパーのほかおしゃれなお店やおいしそうな食品のお店が軒を連ねている。
デカフェのドリップコーヒーが売っているのを見て、そういえば持ってくるのを忘れてしまったことを思い出してちょっと購入し、セレクトのよい食品のお店でお土産を買い、刺し身やら惣菜やらビールやら、デザートに食べようと名物のお菓子も買ったりして、ほくほくしながら部屋に戻る。もう外は真っ暗で、道端の雪が寒そうな雰囲気。もうちょっとしたら手袋も必要になるだろう。
部屋についたら真っ先にお風呂を入れて、入るまでのあいだに惣菜をつまみ食いして、お湯が入ったらゆっくりあたたまる。お風呂から出て、家にはないTVのチャンネルをがちゃがちゃ替えたりしながら、灯りを落とした部屋でひとり、ご当地ビールを飲みながら夕食にする。体が冷えてきたらもう一回お風呂に入ったり、すこし酔いの回った頭でちょっとしたエッセイの文章を書き進めたりして、だらだらと過ごす。
普段より2時間くらい遅く、ベッドに入って、真っ暗な部屋の中で眠りにつく。

Lが生まれてからなかなかひとりになる機会がなかったけれど、単身の出張などでこういうふうに過ごす名もない夜が大好きだ。
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