よるのおわり

日々を愛でる

早朝は私だけのもの

Lを保育園に連れていくために少し早く家を出た。いかにもここの2月らしい朝で、まだ少し夜の暗さが残る空気に冷たい月が浮かび、寒い風がびゅうびゅう吹いている。深呼吸すると、夜のあいだに沈殿した新鮮な空気の名残を感じた。その匂いを嗅いで、唐突に、早朝は私のためだけの時間帯だったなあと思い出した。Lが生まれてから朝にはさっぱり弱くなってしまったし、実際問題として早朝から自分だけの活動を始めるわけにはいかなくなった。だから、早朝にこういう空気が存在するということもなんだか頭から抜け落ちていた。けれど、朝はいつでもそこにあり、自分が望めばそのことを存分に感じられるのだった。

大学のある駅でおりてすこし歩くと、オレンジ色の朝日が建物を濡らしていた。