よるのおわり

日々を愛でる

さまざまな職人芸

朝から会議があり、早起きして参加。夜中はそのせいか眠りが浅かった。調査地の運営や海外との共同研究についていろいろ考える。話を聞きながら大学に移動し、オフィスの建物の小部屋で朝6時から授業。サマータイムでまだ良かった…。冬はよくやっていたけど、初夏の早朝に大学に行くのはこれが初めてかも、ということを思いつつ、静かでさわやかな、そしてけっこう寒い街を通り抜けていく。


授業の後、集合写真の撮影。撮影の人がユーモラスでおもしろく、やはりこれもすてきな表情を引き出すための技術なのだなと思う。けっこうあっさり終わってしまったので、時間もあるし、静かな場所を確保するために家に帰り、ラジオに出演。フェロー諸島についての話をする。台本に書いてあることが備忘録のようになりつつ、関係ないこともわりとよく話す。ラジオ出演も経験を重ね、自然な会話のようになってきていてうれしい。パフィンの生息数減少についての話ができて良かった。そして、パーソナリティの人がこれまた台本にない質問「そのあいだどんな話をされたのですか?」をされ、しばし考えたのち、「自分たちがこんなところに来ることになるなんて想像もできなかったね」ということを確かに話していましたということを答えた。台本の時点では頭から抜け落ちていたけれど、この会話は私たちにとってとても特別なものだった。そうした、私の頭に浮かんでいなかった想いを引き出してくるパーソナリティの人の力量はやはりさすがだなと思ったし、その後の返しも、「いやー、旅に出たくなりますね」と完璧だった。
こうした会話の職人芸みたいな人と話をする機会をもらえることは、ふだんの生活とはけっこう離れている経験で、純粋に楽しい時間である。

 

翌日も朝から大学に行き、ラジオの放送室のような小部屋で授業を終える。ちょっと思想が強すぎたかも…と反省しつつ、さまざまなトピックをまとめて時間通りに話す技術も社会一般では稀な技能だろうなということを思う。もっと勉強して話の引き出しを広げたいけれど、時間がなあ…。