よるのおわり

日々を愛でる

ブレーカーが落ちる

日本の業務があるため早朝に起きる。向かいのおうちのひとつにはまだ灯がついていて、奥の部屋でグラスを囲んで話している人が見える。こちらの家は窓にカーテンやブラインドをつけないことも多く、夜になって明かりをつけると特によく家の中が見えるのだった。暖かい光の満ちた他の家の中をみると、なんだか安心する。
ごそごそとしたくをして出発。道には人影がなく、温かい雨もぱらついてきたものの、風が強くて寒い。駅には人がいなかったけれど、電車には多少人が乗っている。雰囲気から、パーティーやパーティー帰りの人たちのように見える。こちらの人はナイトライフをめいっぱい謳歌しているように見える。
電車の車窓から、建物の明かりを探して楽しむ。繁華街の駅に差し掛かると、大声で話し合う若者がたくさん乗り込んできた。アルコールの匂いもする。週末のオール明けの帰宅なのだな……。

大学のある駅で降りて、同じく人気のない街を歩いて、オフィスまでやってきた。そして、朝ごはんを食べようと、キッチンに行ってトースターやケトルのスイッチを入れると、キッチンの電気が一斉に消えてしまう。ブレーカーが落ちたのかも……。周囲を探してみるも、それらしいものはみつからない。業務の開始時刻も迫っていたので、ひとまず部屋に戻る。

業務が終わった後、またキッチンに戻ってみるも、電気は復旧していない。冷蔵庫があって、その中にみんなの食材が入っているので、それだけ心配。しかし、休日なので他に人も来ない。なににしても家にLとRを残してきているので、ひとまず帰ることにする。
家に帰りながら、長くここにいる同僚にメールを出してみると、すぐに返事がある。セクションの入り口にあるのではないかとのこと。気が動転していて、キッチンの近くしか探していなかった。あらためて探してみようと思い、みんなでまた大学に引き返してくる。
戻ってみて探してみると、廊下に配電盤がみつかる。やった!と思って蓋を開けると、しかし、ブレーカーは落ちていない。切ったり入れたりしても復旧しない。これは困った……としばらく考えたのち、廊下からキッチンに延長コードを引っ張ってきて、冷蔵庫だけひとまず救えば良いのではないかと気づく。週明けにもっと詳しい人に対応してもらおう。
コンセントのタイプに苦しめられたりしつつ、いろいろな部屋を探し回って、なんとか、最適な長さとタイプのものをみつける。つなぐと、ブーンと音がして、少なくとも冷蔵庫だけは救われた。貼り紙を残して、やっと終わった……と見ると、もうお昼近く。ガラス張りの市場で道すがらアヒルのサンドイッチとケーキを買い、家に帰ってきた。