よるのおわり

日々を愛でる

滋賀のバス

久しぶりにデジャヴュを見た。バスに乗って、滋賀の山奥の病院の前で、バタバタ振動してうるさい、壊れかけた窓の桟を押さえたとき。ただ、これは以前も同じ状況が本当にあって、そのことを覚えているので、厳密には違うのかもしれない。
そういえば、デンマークでは一切デジャヴュを見なかったな。

 

後日、測定の設定をきちんとしたかが気になり、乗る予定だったバスをやめて実験室に戻り、確認。問題なし。こういうのはだいたい気のせいのことが多いけれど、万が一そうでなかったときのリスクが大きいし、気になる気持ちを引きずってしまう性格なので、念を入れるのは悪いことではない。
問題はそのあとで、Googleマップで示された別のバス停まで行くと、時刻表が貼り替えられているのか、そのバスが存在しない。やれやれと思って別な経路を検索して近くの病院まで行き、時刻表を見ると数分前に出てしまった後。やれやれと思って隣駅に行くバスに仕方なく乗ると、出発の瞬間に、行ってしまったと思っていたバスがやってくる。遅れていたのだな。運転手さんにお願いして慌ててバスを降りたけれど、乗客がいないと思ったのかそのバスは停まらずに行ってしまい、隣駅行きのバスも出てしまい、今さら追いかける気力もなく、疲れた私はその場に取り残された。
気を取り直してもういちど調べると、10分後にもうひとつミニバスが出るらしい。時刻表にもきちんと存在している。薄暗くなってきて気温も下がってきたバス停のベンチに半信半疑で座っていると、果たしてミニバスはきちんとやってきて、乗り心地の良い車内に無事に入ることができた。バスはあちこちうねうねと走り、山奥の養護施設や丘陵の住宅地や低地の農地などを通り抜け、本当にこれは正しいバスだったのだろうか…と訝しみ始めた頃に、ホテルのある目的の駅についた。30分ほど走っているあいだに街はすでに夜になっており、寝不足もあってなにやらどっと疲れてしまったのだった。
ミニバスの車内から見た黄昏時の風景は異世界のような雰囲気があって美しかった。