よるのおわり

日々を愛でる

冬物を買う時間

都心を抜けて日帰りの出張。なかなか難しいお願いをしに行くものの、準備時間はたっぷりあったので訪問相手の書籍を読み、おもしろい内容ばかりでファンになってしまう。
この大移動は先月同じことをしたのでだいぶ状況がわかっていて、当日も余裕の雰囲気。バスを待つあいだに駅前の建物に入り、冬物をちらちらと見る。わりと気になるものがあったけれど、ひとまずは様子見。バスに乗って訪問先を訪れ、話し合いの後に実物を見せていただく。思ったよりも容易にお願いの内容が達成できそうであり、ではやってみてくださいということになる。ありがたやありがたや。お仕事もすぐに済んでしまったけれど、その背後には常に膨大な労力と時間があることを忘れてはいけない。パズルのような標本の実物も見せていただき、百聞は一見にしかず、と感動。
予想していたより早く終わり、晴れて寒さも和らいだ道を駅まで歩く。道すがら、よさそうなベトナム料理の店を見つけて入る。現地の人がやっており、本場感が漂い、お正月の飾りや食材も売っている。食材を買いに来てひとしきりおしゃべりしている人もいたりなんかした。こうした、人びとのコミュニティになっているようなお店はいつも楽しい。予想通りおいしく、支払いをして駅まで歩く。駅では電車まで時間があり、また来られる時間もなかなかないだろうと思い、先ほどの冬物を購入してしまうことに。店員さんがわたしのことを憶えており、親切にしてくれてありがたい。駅前の地元の名産品を扱うお店ですてきな感じの和菓子を買い(後日食べたらシャリシャリのさわやかな味が柚子の風味にマッチしていてとてもおいしかった)、電車に乗ってまた長い距離を帰宅してきた。
家の近くの駅ではすこし時間に余裕があったので、ドトールに入って、論文の図の案を紙に書いて検討し、これでいこうと決まった。研究のこと(あれもこれもその一環ではあるけれど…)をきちんと考えられるのはひさびさで、やっとこの件を進める時間ができたという満足感。

この日はなんだかすてきな1日だった。以前と比べるとだいぶ余裕が出たなとは思うけれど、それより前と同じ水準に戻ることはないであろう。