よるのおわり

日々を愛でる

2020-01-01から1年間の記事一覧

奈良

用事があって奈良へ。そのついでにすこし観光する。どうせ観光地だろうと思っていたならまちは、外向きの顔と生活空間とがゆるやかに混合していくような落ち着いた町並みで、歩いていてとても楽しかった。古い家屋はどれもすてきで、今西家書院はとくにすば…

チェコ・デザイン100年の旅

ちょっと前に、「日本・チェコ交流100周年 チェコ・デザイン100年の旅」という展示を観てきた。萌え絵っぽいミュシャとか、『1984』の挿絵に使われていそうなチェコキュビズムとか、ふむふむと思いながら観た。1920年代に日本を訪れて、小笠原や富士を旅した…

秋のメンタル

体感では1年に1度くらい、メンタルが底に落ちる。昨日がそれだった。疲れが溜まっていて、気が緩んだところで限界が来た。秋が始まってしまったのも良くなかった (寒さには弱いのだ)。思えば、けっこうあぶなかった3年前も、昨年も、精神状態が不安定になっ…

最後のチーズ

2018年だか2019年だかにたくさん買ってきてちびちび食べていたチーズが、ついに最後のひときれとなり、底をついた。gjetostと呼ばれるノルウェーのチーズで、茶色をしており、キャラメルのような風味。薄く切ってパンにのせて食べるとおいしい。冷蔵庫で保管…

夕暮れの青

急にもやしのピリ辛サラダを食べたくなり、夕暮れのスーパーにふらりとでかける。ひとりだとこういうことができて良い。もう夏はすっかり終わったなという感じがあり (だって9月ももう終わりだもん)、風が肌寒い。 川は満潮になって、岸ぎりぎりまで、静かに…

連休の仕事

RとLが実家に泊まることになり、連休の2日間家にひとりである。先々月のときは職場に行って実験をしたりしていた。今回は、4月からずっと止まっていた論文の直しをすると決めて、朝から晩まで机に向かう。はずが、そこまで集中できなくてだらだらと調べ物を…

ブルーライトカット

最近、ブルーライトカットの度なしメガネをかけて仕事をしている。うちの家系はとても目が良く、両親は最近老眼になってきたものの、きょうだいたちを含め近眼でメガネをかけている人はいない。たぶん。というわけで、サングラスや実験用保護メガネを抜きに…

帰りは速い

月初めから勤め先が変わり、荷ほどきをしたりいろいろなセットアップをしたりしていると、あっというまに9月が終わってしまいそうな雰囲気になってきた。そのあいだもちろん普段どおりの仕事も進めているのだけれど、なんだか、思うような達成感がない。多種…

グルジア風シチューの調理はPC作業から始まる

おいしそうな写真のパッケージに惹かれてだいぶ前に買って帰ってきたロシアのよくわからない料理粉を使うことにした。写真には少なくともナスが写っており、冷蔵庫にはナスが4本入っている。料理粉の賞味期限も数ヶ月前に切れている。いま調理をすべき絶対的…

秋の夜長

夜中の2時に起きたLのお世話をしていたら眠れなくなってしまう。気づけば、Lからうつされた咳が1ヶ月以上つづいてたのが、数日前くらいにやっと治ったようだった。だいたい時を同じくして、密度の大きい夏の空気はどこかに行ってしまい、代わりに朝晩がこと…

また来ることはないだろう

近くの大きな駅に行く。メガネ屋をふたつまわった後でブルーライトカットの度なしメガネを購入。その後、前に行ってみておもしろかったなんでも屋へ。いろいろな地域の特産物を置いていたおもしろいコーナーがまるごとゲームセンターに変わっており、失望。…

球の呼吸

手のひらの上には色とりどりの小さな丸い球が乗っており、細いパイプが複雑に絡み合ったような大きな機構(岡本太郎の作らしい)の上にそれをあける。すると球はあちこちに運ばれていき、球のさまざまな色があちらこちらで点滅する。一部はそのまま水のなか…

夜の雷

雷が鳴っていたので部屋の窓から外を見ていると、水たまりが踊り始め、あっというまにスコールになった。屋根のあるところまで急いで走る人、顔をうつむけながら自転車に乗る人、安定感のある自動車、などなど。窓を開けると涼しい空気が入り込んできて、雷…

ネズミの脱出

仕事の打ち合わせのため、ひさびさに、かつて院生時代を過ごしたキャンパスへ。お昼に前々から来てみたかったお店でおいしいビリヤニを食べ、学生のときは周りで外食したり遊んだり全然しなかったな、とすこし後悔の気持ちで思い出す。(だいたいにおいて、何…

秋の空気

朝の空気がすっかり秋になっている。起きて窓を開けても、むわっとすることがなくて、どこかしっとりとして、深呼吸したくなるような涼しさに満ちている。虫の声も聞こえる。お盆が過ぎたらもう秋になってしまうという印象だったけれど、今年は8月が終わった…

公園のバレーボール

近所に中学校と小学校があり、保育園の送り迎えの際に登下校中の小中学生とよくすれ違う。それでずっと気になっていたのが、小学校くらいまでは男女関係なく仲良く遊んでいるように見えるのに、中学生になると、女性か男性かによってグループ分かれがかっち…

長瀞

ひさびさの旅行。秩父のほうに住む友人を訪ねに。お互い不安定な身分なので、タイミングの良いときをみつけて会っておかないと、次にはいつどこで会えるかわからない。朝早く家を出て、車を走らせて数時間。暑さは変わらないけれど、緑豊かで川の流れのきれ…

ヤラヴィ

プロレスのフェスに参加し (プロレスにはほとんど興味がないどころか野外音楽フェスに参加したこともない)、気取った嫌な感じの洋菓子屋で朝早くパンを買い、ひょうきんな博識の先生に教養を試されて冷や汗をかき、ヤラヴィ (セラヴィではない) という獰猛な…

夏の終わり

朝、明るくなるのがだんだん遅くなっている。空気もちょっとやさしい感じで、先週のようなぐわっとくる熱さがもうない。夜には草むらで虫が鳴きはじめた。 金曜なので外でごはんを食べて、ほどよい酔い加減と腹具合で線路の横を歩いて帰っていると、細い月の…

暑さの違い

こんなに暑いのに昼休みに外でサッカーをしている人の気がしれない、と同僚が言っていたけれど、私はたぶんその「知れない」側にいる。暑いほど外を出歩きたくなるし、太陽の力が強いほど自転車に乗りたくなる。暑くて体中の血が沸騰しそうになると、ほかの…

お盆の暑さ

灯台に行こうと出かけると、駐車場がどこも満車で長い待機列ができている。海水浴場が近くにあるため、そういう車がたくさん来ているらしい。今年はこの地方の海水浴場はすべて閉鎖されてたんじゃなかったっけなどと思いつつ、どうしようもないので帰ること…

暑い水曜日

水曜日、ちょっとした出張。ものすごく (というほどものすごくではないけれど体感的にはものすごく) 久しぶりに訪れた場所で、ひさびさに会うひとたちの成長を感じるなどする。 打ち合わせと受け渡しをして園を出ると、まだ時間は早い。すこし用事を思い出し…

こどもの国

法要のため週末は実家に。小さい頃たくさん通った記憶のある広大な公園についでに行ってみる。プールは閉鎖されていたものの、人工の小川にたくさんの子供たちが遊んでおり、やっぱりそうなるよね……などと思う。Lも例に漏れず水に入り、結局全身びしょびしょ…

梅雨明けの週末

梅雨の明けた土曜、Lが昼寝から起きたあとの夕方前から出かけて、家の近くの洋菓子屋さんへ。近いといっても直線距離の話で、間には通り抜けることのできない広大な用地が広がっている。大きく迂回して歩き、結局1時間くらいかかる。 洋菓子屋さんは、コロニ…

夏の違い

夏ってこんなものだっけ、と最近ふとしたときに思う。熱い空気に力はあるけれど、体の周りを流れてすぐにどこかへ行ってしまうような感じ。風が吹いたりするともうそれだけで涼しい。それはたぶん、トーキョーの夏が数年ぶりだということに関係しているのか…

のびのびぐうぐう

LとRが数日家を空けていたので、のびのびできるかと思ったけれど、そうでもなかった。なかなか寝つけず、眠る時間がどんどん遅くなり、しかも朝は遅くまで眠っていることができない。日中の仕事時間を好きなだけ確保できるのはうれしいけれど、そうすると今…

リンゴ畑の10年

ここ10年間で読んだ本のなかで一番はなんだろう……ということを考えていた。本そのものの評価で言うと、まったく、ひとつに決められるわけもないのだけれど、いちばん大事な本というとすぐに決められる。それについて書いてみようかなと思う。それは、エリナ…

書類と京都

しばらくずっと雨ばかりで、隙をついて洗濯をして、それであんまり乾かず敗北感を抱くような毎日だった。今日はそれがぴかっと晴れて、まばゆいばかり。窓から外に向かった席に座ってラップトップを見ていると、まぶしさで頭がくらくらしてくるくらい明るか…

黒い川

塩の満ち引きや雨の降り方などで、川の色や透明度が変わるらしい。昨日の川は真っ黒になって、しかし透明度は高く、夕方の弱い光を吸収しているようにすら見えた。 そのなかを、どこから紛れ込んだのか、金色の鯉がすーっと泳いでいった。鯉はたまに見るけれ…

カラスの黒い袋

大きな決断のあとには神経を使うあれやこれやが続き、あわせて2週間はほとんどほかの仕事が手につかなかった。でも、その先にはもうひとつ大きな山が控えており、これがどう転ぶかで今後のこともけっこう変わってくる。そして締切までそんなに時間はない。い…